久しぶりの飯豊の山は峻嶮であり、そしてまたたおやかでもあった。
2014.5/3 長者春(5:30)~温身平(7:30)~石転沢出合(10:50)~門内小屋(15:30)
2014.5/3 長者春(5:30)~温身平(7:30)~石転沢出合(10:50)~門内小屋(15:30)
5/4 門内小屋(7:30)~北股岳(9:00)~洗濯沢滑降~北股岳(10:30)~門内小屋(12:00/12:40)
~登山道出合(13:30)~温身平(14:40/15:30)~長者春(17:00)
2014.5/3
長者春、川入。川ごしに雪山がそびえる。まだまだ飯豊の山は雪が豊富だ。
5:30発、延々と林道を歩く。天気がよく、新緑が映える。
頭上にはヘリコプターが飛び、遭難者は合図を送れと拡声器で呼びかけていた。遭難があったようだ。
国民宿舎、梅花皮荘川入荘ごしの雪の峰
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そうした中、約一時間半歩いてブナの緑が美しい温身平に到着。梶川尾根を登ろうかと逡巡したが石転沢を行くことにしたのだった。
堰堤を超え、梅花皮沢左岸の登山道をスキーを担いでいく。スキーが木の枝に引っかかったり、微妙なトラバースががあったりで結構時間がかかる。
温身平から二時間半かかり、やっとの思いで梅花皮沢の沢床に降り立つ。ここからは雪が豊富。しかし稜線はまだはるか彼方である。
沢床に降り立ち彼方の稜線を目指す
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シールを効かせながら登っていくと、やがて石転沢と門内沢の出合。石転沢にはまだ新しそうな大きなデブリもあり、きれいな門内沢を登ることとする。
ふと気がつくと太陽のまわりに大きな暈が出来ており、西寄りの風で雲が流れている。海側からの風は天候悪化の兆し・・・急がねば。
しばしば上を見ながら左右のブロックに注意しながら登る。いよいよ最後の急登にかかる頃、稜線にはガスがかかり風も強くなってきた。最後の雪壁の氷結に備え、1500m付近でアイゼンを履き、シートラーゲンで登る。
標高1700m地点。天候は一気に急変し、さっきまでのいい天気がうそのように濃いガスの中となり視界は4~5m。風速20m~25m位あるだろうか、雨も横なぐりとなる中、耐風姿勢を取りながら進む。幸い気温は高いようだ。
GPSを確認しながら先行者のトレースに沿って急登を喘ぎながら登り、最後はピッケルも使い稜線へ。そこには門内山頂の祠がありホッとする。
稜線上は一層風が強く、なんとか山頂直下の小屋へなだれ込んだ。最後は結構厳しかった。他の登山者は大丈夫だっただろうか。
風はその晩、衰えず、ずっと吹き荒れており、窓ガラスが割れないか心配なほどだった。しかし、こうして小屋に泊まれるのは本当にありがたい。担ぎあげたビールとワイン、そしてカレーでやっとくつろぐことが出来た。
5/4
昨夜は一晩中、風が吹き荒れていたが明け方になって少しおさまって きたようだ。本当は、今日は飯豊本山まで行こうかと計画していたのだが、明日 は天気もあまりよくなさそうだということで、北股岳から洗濯沢を滑り、門内小屋 まで戻って、門内沢を下ろう、ということになった。
相方の「日の出が見える」との声に外に出てみると雲の向こうから ご来光。
朝日に映える山稜
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南方に目をやると飯豊本山から烏帽子などの山稜が朝の陽に染まっ ている。風の少しおさまるのを待ち、クラストした雪面が少し緩む頃を見は からって、7:30小屋を出発。北股岳への尾根を行く。
9:40には北股岳山頂。洗濯沢を見下ろすと雪はつながっている 。山頂から源頭へ、大日岳に向かって気持ち良い大斜面を飛ばす。約300m滑っ たところで北股岳へ登り返す。
洗濯沢源頭に向かって滑る
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北股岳へと登り返す |
予定通り12時に小屋へ戻る。天気は今日は持ちそうだ。いそいそ と滑降の準備を整え、12:30に門内沢にドロップイン。急斜面だが、雪も緩み 、クラストしてないので怖さはない。延々と下まで続く斜面にさらさらとターンを刻む。
門内沢上部。さらさらとターンを刻む |
延々とどこまでも滑っていく |
少し重めだが素晴らしい斜面 |
振り返るといり門内沢上部のシュプール |
14:30 温身平着。ブナの新緑がビールの味を一層引き立てる。川入まで、 スキーを担いで歩く道のりの長さも忘れ、大満足のスキーツアーをしみじみ と振り返った。
スキーを担いで川入へ歩く。ブナの緑とこぶしの白い花 |