2016年9月11日日曜日

尾瀬 笠科川タル沢ワル沢(井戸沢下降)

9/25(晴)
かさね橋(6:30)~タル沢~ワル沢~登山道(9:20)~井戸沢下降~井戸沢橋(11:20)

井戸沢橋手前の堰堤広場で前泊。ゆけむり街道を歩き、かさね橋袂から入溪。
欄干が工事中のかさね橋

朝日に白くきらめく3mのなめ滝を超えたら、本流から離れてタル沢を進む。魚止めの滝6mや時にはゴルジュを微妙なバランスでへつったり、ゴルジュ状の滝をチムニーで超えたり、楽しい。
入溪、本流を進む
朝日にきらめく本流の3m滝 を超える
タル沢にはいるときれいな小滝がいくつもかかる

朝の陽が谷に差し込む
ゴルジュ、左側をへつる

ゴルジュの出口より。結構な水量だ

突っ張りで突破

すだれ状の滝
葉はすでに色づきはじめ、ところどころ落ち葉が沢床にへばりついている。ワル沢は茶色っぽい岩肌のなめ、なめ滝が印象的な沢となる。

引上ワル沢をわけ、その先の二俣を左に進むが藪沢ぽくなり少しがっかり。
分岐を右へ右へと進むと適当な藪こぎで登山道に飛び出した。
ここしばらく雨が続いたせいかシルバーウィークなのに登山道は意外と静かだった。草紅葉が始まりかけた尾瀬ヶ原の向こうには秀麗なる燧ヶ岳。片品の谷を挟んで少し遠くには白根山、男体山。しばし静かな秋の山の空気に身をゆだねる。
登山道より至仏方面

色づきはじめた木々の向こうには尾瀬ヶ原、そして燧ヶ岳

日光白根山

下降は井戸沢。笹藪を超えて下っていくと、まもなく沢形地形が現れ、なおも下ると沢の水が集まりさらさらと流れるなめとなる。すだれ状の滝を下って少し進むとまもなく出合いの堰堤に到着。
井戸沢を下る

きれいななめだがよく滑る

クライマックスのすだれ状の滝

趣のある岩の堰堤

秋雨の間隙を縫った速攻の沢登りだった。

鳥海山 縦走(祓川~鳥海山~鉾立)


鳥海山(祓川~七高山、新山~鉾立)

祓川(5:30)~七高山、新山(9:00~11:00)~鉾立(14:15)

久しぶりの縦走登山。今回は大人数でおととし山スキーで訪れた鳥海山へ。

朝3時半起きで祓川にむかう。雪をまとわない鳥海山をみるのは初めて。夏の山は緑が濃い。
バスを降りて歩き始めるとまもなくご来光。5時半、祓川ヒュッテを出発。
積雪期には見られなかった地糖がそこかしこにあり、なごませられる。
振り返れば日本海の海岸線がくっきり。
山から海が見えるのはいいもんだなあ。
日の出
朝日を浴びた鳥海山。祓川ヒュッテより
ヒュッテを望む。池塘がきれい。

舎利坂手前には雪渓が残り、このあたりからは七高山が間近に見える。舎利坂の最後の急登を超えると眼前には迫力ある新山の姿、3時間半で七高山の山頂についた。



海が見えてきた

今朝出発した祓川ヒュッテの赤い屋根が豆粒のようだ。去年のゴールデンウイークはスキーで飛ばし、ここからヒュッテまであっという間だったなと思い出す。
幾ばくかの休憩を取って外輪山を下り小屋へ。結構険しい岩をよじ登っていく。でかい岩をくぐり抜けるところもあり面白い。新山山頂は狭く写真を撮ったらそそくさと後続に明け渡して下山。
七高山より新山
新山山頂

千蛇谷を下る



11時。小屋を出発し千蛇谷を下っていく。この時期はアザミやイタドリなども咲き、谷も緑が濃い。春にみた景色とは大違いだ。外輪山を横目に七五三掛を経て御濱小屋へ。このあたりはアップダウンも多く少し息も切れるところだ。
振り返ってみると山頂には東側からの上昇気流でガスがわき起こり大きくなって曇になるが、それもまもなく風に流され消えていく。
山頂ははるか遠くなった。あとは快適な石畳の下山道をひたすら歩くのみ。

七五三掛手前。雪渓が残る

扇子森付近より鳥海湖。

下山、展望台より来し方


14時半少し前には鉾立に下山。展望台からみた鳥海山はやはり雄大だった。
火山の独特の景色を楽しみながらのひさしぶりの縦走登山だった。

2016年8月18日木曜日

船形連峰 笹木沢 沢登り(鬼口沢下降)


十里平~大倉川~笹木沢~鬼口沢~十里平

夏休みは東北に遠征 大都市仙台の近郊にこんな沢があるとはうらやましい。 天気は上々、登りごたえのある山行となった。イワナの刺身も堪能。



8/11(晴れ) 十里平(12:00)ー笹木沢出合(16:20)ー670倉山沢出合付近BP(17:00)


一路新幹線で仙台へ、そしてそこからレンタカーで定義如来の先の十里平へ向かう。渋滞で遅くなり12時出発。草原を抜けて大倉川脇の仕事道を辿る。

一つ目の堰堤を超えたところから入溪。天気はよいが夏独特の入道雲がわきだし、一雨きそうな気配だ。
広い河原を行くとまもなく二つ目の堰堤。堰堤の脇を上るのが難しく、高巻くがなかなか折り口がなく大高巻きとなってしまい時間をロス。体力も消耗。だけど巻き終えたらまたすっかり晴れてきた。

しばらく河原を進むと左岸にトラロープのつり下がってる3mの滝。がしかし、ロープはかなり高い位置に引っかかっておりこれをこちら側に持ってこなければならす、仕方なしに空荷でへつって取りに行く。ハングになってるところを何とかクリアし、トラロープを取ってきた。(そのまま抜け、ザックを引き上げればよかったとあとから悔やむことになる)。ターザン方式の振り子でトラロープにつり下がり、ザックを背負ってまず相棒が突破。次は自分がザックを背負って突破、となるはずだったが腕に力が残っておらずドボン。結局ザックを引き上げてもらい、ようやく突破。通過に1時間ほど要したか。
ターザンロープのある3mの滝


笹木沢の出合いですでに4時半。日差しが傾く中、コルジュをぬけ、気持ちのよいなめの中を進む。夕暮れ時の雰囲気もまたいいもので疲れも忘れる。

笹木沢、鬼口沢二俣

ゴルジュを抜けると気持ちの良いナメ床となった
夕暮れる中ナメの中を進む

絶好のBP.イワナのコツ酒とともにくつろぐ

倉山沢出合付近に絶好のBPを探しツェルトをはる。イワナの骨酒と焚き火、そして空には星。言うことのない夜を満喫。


8/12 (晴れ) BP(7:30)ー7m滝高巻(8:10~10:10)ー鎧滝(11:45)ー登山道(14:30)ー1254超えた鬼口沢下降地点(16:10)ー1030BP(17:10)

今日は長い行程となる。しかしのんびりと出発。小滝を超えたり沢幅いっぱいのなめを味わいながら調子よく進む。

まもなく核心と思われる7mの滝。ここは予定通り右岸の巻きにはいるが最初の草付がいやらしくロープを出す。潅木帯を進むが、ルーファイに失敗したのかなかなか降りられずトラバース気味に不安定な姿勢でビレイをとりながら進む。懸垂できそうな場所もない。かなり進んだところでルンゼ状を、捨てシュリングして強引に懸垂してやっとのことで降りる。長かった。2時間くらい要してしまった。
苦労した7m滝。右岸を高巻いた。


そのあとは2段12mはフリーで、鎧滝手前の7mはロープを出して左壁を登る。
まもなく3段25mの堂々たる鎧滝にあいまみえる。よろいを纏っているようなさまは堂々たる風格で迫力あり。2段目まではフリーで、3段目は渋く、相棒の出したロープに頼る。
結構大きい2段12mの滝。
鎧滝下の7mの滝

7mの滝、空荷で水流左より登攀
堂々たる風格の鎧滝

1,2段はホールド、スタンスとも豊富。3段目は渋い。

鎧滝を過ぎると流れも静かになってきた。小滝をいくつか超え、源頭の様相。流れは森の中を縫う小さな小川となった。葛根田北又沢の上部に似ているか。
藪をこぐことなく登山道に飛び出した。時はすでに14時半。今日は鬼口沢下降して赤倉沢出合い680m辺りまで下る予定だったが難しくなった。
上流部。流れは森の中を縫う小川となった
すぐそこなのにでかく見える船形山


船形山への登山道をヘロヘロになって登り、鬼口沢下降地点16時着。1時間ほどBPを探しながら下り、猫の額ほどの地点を整地、拡張して今宵の宿とした。
今日も焚き火、空には星。しかし二人ともぐったり。酒もそこそこに寝た。


8/13( 晴れ) BP(7:30)ー10m滝(8:20)ー仙台沢出合(9:00)ー伊達沢(9:20)ー12m滝(11:20)ー笹木沢出合(12:30)ー十里平(15:10)

最終日、今日もゆっくり出発。鬼口沢を下降していく。まもなく水流に磨かれた白い石のなめ床となり快適に高度を下げる。
白いナメを下降

しばらく進むと、待ってましたとばかりに10mの滝。垂直に切り立っており懸垂しかない。ひさしぶりの本格的な懸垂下降で緊張する。
あここをすぎるとこの沢独特のV字形のゴルジュとなる。両岸が切り立っているが開けていて明るい。850近辺で仙台沢、伊達沢を合わせる。
10m滝の懸垂下降。
次の滝も懸垂。この日は10mの滝も含め6本の懸垂を行った。

伊達沢か
仙台沢がナメ滝となって出合う


流れは川幅いっぱいとなった

光が織りなす紋様


 流れはやがて川幅いっぱいの浅瀬となり気持ちよい。赤倉沢手前で休憩。ここで相棒が竿を出し、イワナ2匹をゲット。早速さばいて刺身に。身がしまっていてこりゃうまい!感動だ。

赤倉沢をあわせて先を進む。まもなく笹木沢と合流というところで突如ゴルジュが現れると今日の核心12mの滝。上からのぞくと30mもありそうに感じる。右岸を5m上がり木に支点をとってまたまた懸垂。滝下に降りて緊張から解放された。


12mの滝

12mの滝の懸垂。軽くシャワーを浴びた
笹木沢と出合い、ここからは広河原をゆっくり下る。
行きに苦労したトラロープの3mの滝も下りは難なく通過。
15時、十里平に無事到着し、3日間の余韻に浸った。

行きに苦労したトラロープの滝はクライムダウン。
最後はドボン!