2014年10月13日月曜日

小嵩沢山(北アルプス) 小嵩沢 沢登り


10/11~12 島々-島々谷-小嵩沢-小嵩沢山-ワサビ沢下降-徳本峠登山道-島々


10/11 島々-島々谷右岸車止め駐車場(8:30)-小嵩沢出合(9:15)-ケミ沢二俣?(11:00頃)-1470付近 
           (二俣と間違えた地点)(12:08)-三段の滝1800付近(14:00)-BP2000付近(16:30)
10/12 BP(6:30)-小嵩沢山南峰肩2300(7:30)-小嵩沢山(8:00)-ワサビ沢下降1600付近(10:30)-登 
           山道(12:00)-駐車場渓点(15:15)


島々谷の奥座敷にある小嵩沢山、標高2387。意識したことはなかったが鍋冠や黒沢山の向こうに松本盆地の南側からも見えるらしい。登山道はなく、遡行図もなし。今年最後の沢登りを高校同級生のyoneyamaと遡行。当初、ケミ沢を遡行する予定だったが、地形図を読み違え、小嵩沢を詰めてしまった。


10月11日(土)晴れ
大型の台風が来る予想だが、台風の速度もゆっくりであり、このあたりはさわやかな秋晴れ。
おなじみの「徳本峠入口」の看板を入り島々谷右岸を行き車を止め、林道を歩きだす。1時間ほどで吊り橋を渡って小嵩沢出合へ。山は中腹まで紅葉が降りてきている。
取水口を過ぎ、入渓するとまもなくゴルジュっぽくなる。「もうそろそろケミ沢が出合う二俣か?」と進むがなかなか二俣っぽいところはない。
吊り橋を渡り小嵩沢へ。


まもなくゴルジュっぽくなる。

紅葉が秋の陽に透けて美しい。



 やっとのことで二俣(と思っていたが実はすでに過ぎていた)到着(1470付近)。沢も紅葉に彩られ、葉は秋の陽に透けて美しい。
二俣(と思っていたところ)を過ぎると沢は急に荒れ始め、木が倒れたりしており、ガレ沢も流入してきている。やがて三段の滝。下段はカッパを着込みシャワーを浴びながら登る。ヒャー!冷たい!上部は結構立派。直登は難しいので左側を高巻くがこれが結構悪く、やっと沢床へ戻ると足がつった(1800付近)。

沢は秋の様相。

3段の滝。左を高巻く。
しかしここからは水が枯れだし、ガレた沢となる。踏み出すたびに足元が崩れ、体力を消耗する。伏流になっているものと思い込んでおり水も汲まずに沢を突き上げる.
やがて急傾斜となりすでに源頭の様相となった。周囲の地形から、小嵩沢を詰めてしまったことを悟る。
時間はすでに16:00。水があるところまで下るかどうか逡巡するが、明日の行程のことを思い、小嵩沢山の南峰から派生する支尾根に這い上がり、馬の背の尾根上にやっと2人寝られる地点でツェルトを張った。
夕暮れの向こうに松本盆地の街がうっすらと見える。
水なしビバークはふたりとも初体験。水っぽいものはワインとウイスキーのみ・・・ということで、スモークレバーを食べながらワインを飲んで渇きをいやしのだった。
急なガレ沢となる。

一夜お世話になったビバークポイント
10月12日 (日)晴れ
昨夜は月が明るく、ツェルトの中まで明るいくらい。
カワキモノと残ったおにぎりを分けて食べ、早々に出発。熊笹の急な尾根を藪をこぐ。まさに全身運動で息がすぐに上がる。休み休み登り、一時間ほどで稜線に出た。
東には雲海の向こうに浅間山、美ヶ原も見える。

雲海の向こうに浅間山


 あと一息、気合を入れなおして8:00小嵩沢山山頂。三角点を踏む。北に目をやると谷を挟んで大滝山から八丁ダルミ、鍋冠。北西には木々の間に槍ヶ岳、穂高岳。前穂がピラミダルでかっこいい。

南峰からみた小嵩沢山。

小嵩沢山山頂 藪の中の三角点。

木々の間に槍ヶ岳。

木々の間に穂高岳。

山頂からは熊笹の急な北斜面を下り、ワサビ沢を目指す。1900あたりで沢に出て、やっと水を飲むことができた。
ワサビ沢上部は結構ぬめっており、またガレていて非常に下りにくい。
1600付近で傾斜も緩やかになってきたので、平らなところで焚き火をして餅入りの納豆汁の朝飯とする。yoneyamaが手際よく火を熾す。焚き火をすると酒が飲みたくなるがここは我慢。一時間ほどまったりとする。
ここからは傾斜もゆるくなり、秋のやさしい陽を浴びながら気持ちよく下ると、小一時間で岩魚留小屋付近の徳本峠への登山道と出合った。

帰りの林道からは小嵩沢山の南峰だろうか、谷の向こうにシルエットとなっていた。


ワサビ沢を下降。

秋の日差しはやさしい。

帰りの林道より。奥に見えるのは小嵩沢山南峰だろうか。
塩尻(しののめの道)からみた小嵩沢山(左奥)






ヤマレコ記録:

2014年8月23日土曜日

南八幡平 葛根田川 沢登り

8/15 盛岡(電車)-雫石(タクシー)(5:30)-滝ノ上温泉(6:30)終日休憩所で沈殿
8/16 滝ノ上温泉(5:50)-入渓点(6:30)-明通沢出合(7:50)-お函(9:00)-大石沢出合(10:40)ー-滝ノ又沢出合(13:00)-20m滝(15:00)-八瀬森山荘(16:20
8/17 八瀬森山荘(5:50)-大深岳(8:30)-源太ケ岳(8:50)-松川温泉(10:20)


8月15日( 金)雨
雫石から朝イチでタクシーも駆使して滝ノ上温泉まで来たのはいいが、ものすごい雨。到底行く気にはならず、滝ノ上温泉の休憩所で沈殿。葛根田川は濁流となりうねっている。これでは明日も無理かも・・・。大石沢あたりから引き返してきた人と話すと特に増水はしてないとのことだったが、小降りになった夕方、様子を見に出掛けてみるとすごい水量。携帯電話もつながらないのでタクシーも呼べず、明日は三ツ石に登って網張温泉に下山しバスで帰るのかなと、このときは観念した。
終日、立派な休憩所で過ごし、夜もここでお世話になった。本当にありがたい。一日いるといろいろな人が訪れてきて面白かった。

8月16日 (土)曇り
起きてみると、濁流はきれいになって水嵩も減っている。
これは行かねば、とそそくさとしたくをして、5時50分出発。天気はどんよりで心許ない。
お世話になった立派な休憩所

6:30林道より入渓。まもなく徒渉を余儀なくされる。流れは速く、かつ深く、数年前の上ノ廊下を思い出させる。
ロープ徒渉を試みるが流れに押され、断念。最初の徒渉で諦めるのか、となかば観念しながらも弱点を探す。下流になんとか渡れそうなところを発見し、徒渉。その後も徒渉を繰り返し、ようやく明通沢出合。出発からはや2時間経過。ため息が漏れるが、今夜は滝ノ沢出合いまででもよいかとおもい、遡行を継続。
明通沢を過ぎたこの頃は青空もみえはじめ、、若干水量も少なくなって、葛根田の流れに削られ滑らかとなった川底の石は水を介して反射し、緑色の水流となってきた。




葛根田川に下り立つ。川幅いっぱいの水量。
右岸からの滝
大べこ沢出合
大べこ沢、水しぶきが飛ぶ。
陽が差し、流れが緑色となってきた。
お決まりの淵。緑色の。

9:00、お函の入口となるゴルジュ、ごうごうと流れる。その先の大石沢までのお函のメインの部分は増水した流れに手を焼く。水量が多く左岸にも徒渉はできず、右岸のなんとか細かいホールドを拾い突破するがその先の滝の水量がものすごくとても越えられない。ということで100メートルほど戻り、大たか巻きをすることに。
幸い藪は深くなく何とか進めるが、懸垂しても降りた先の水量がものすごくとてもその先の遡行が続けられそうにない、ということで一気に大石沢まで巻いてしまった。名物のお函の景観はお預けとなった。大石沢も流れが早く下り口を探してやっと沢床へ。なんとも苦労する。

大石沢出合いはとてもよい幕営地、ここでイワナでも釣りながら焚き火でもできたらなー、なんて夢を見ながら再び歩き出す。
この先々も所々ロープを出しながらの徒渉となった。平水のときよりも2倍はかかってるだろう。大滝も大迫力だ。

お函手前のゴルジュ。ごうごうと音を立てる。

お函。この先が突破できず、右岸を大石沢まで高巻いた。
大滝到着
大迫力で流れ落ちる。

13:00。ようやく滝ノ又沢出合。この辺で幕営したい気持ちを押さえつつその先の二俣を左へ。
ゴーロのきつい傾斜を越えると、流れはまるで小川のように穏やかとなった。心もなごむ。下流ではあんなに激しい流れだったのに!上ノ廊下もそうだったなと思い返す。
小川となった葛根田川は原生林の森を蛇行しながら右へ左へ。この辺りは、規模は小さいが西表島の川の流れを思い出させる。
そのうち面白い石の沢床となった。何て言う石なのだろう、たぶん粘板岩の一種?水で研がれたグレーの石ははさまざまな色の波長がカットされ、水の中では流れが青く見える。

原生林を流れる小川となった葛根田。
渦巻き二つ。
独特の地質。

スラブを流れる一筋。ミニ黒部のよう。
15:00。もうすぐ詰めかと思いきや突然20メートルの滝。そして連続して2段8メートル、最後の滝。遡行図には2段とあったが、水量が多くほとんど1段に見えるくらい。右壁のクラックを登るが上部が厳しく、やっとの思いで上の灌木にたどり着いてほっとする。
その先は藪こぎもなく水流沿いを詰めると見事な湿原。木々の間に八瀬森山荘が見えた。
10時間半の長い行程。焚き火と共に沢中に一夜の夢を結ぶことは出来なかったが、貸しきりの八瀬森山荘で1日の疲れを癒した。

20m滝。

左から高巻く。
沢を詰めると湿原に飛び出した。
大場谷地の湿原のお花畑
八瀬森山荘。今夜は貸切だ。
8月17日(日)雨
一昨日までの天気予報は曇のち晴れといっていたのに、朝から雨降り。一夜お世話になった八瀬森山荘をあとにする。
東北の山小屋はサンダルや布団もあって、登山者には本当にありがたい。下山後に松川温泉から盛岡駅まで送っていただいたKさんの話では東北は女性の建築士が設計しているものもかなりあるそうでデザインなども優しさがあるのかも。八瀬森山荘も中央に薪を燃やすためのフード付の煙突が備わっており、なにかここで巻きを燃やして薫製でも作りたくなるような感じだった。Kさんは山小屋探訪が趣味であちこちの山小屋のレポートをしているという。それもまた楽しそうだ。

さて、雨のなかをついてほとんど田んぼ状態となった登山道をもくもくと歩く。そして時に現れる湿原で風に吹かれ、一息いれる。そんなことを繰り返しやがて大深岳山頂。なにもない。なにも見えない。
しかしここからは道がよかった。快調に下り、10時半松川温泉着。
乳白色の温泉に浸かり、ほっとするまもなくバスが出ている八幡平ロイヤルホテルへ歩いて向かう。雨も上がり風呂上がりの体に八幡平の風が心地よい、等と強がったが道のりは約6キロ。バスの時間に間に合うか心許ない。と弱気になったとき、車が止まり、よかったら乗っていきませんか?との言葉。即座にお願いしますと答えて厚かましくも盛岡まで便乗させていただいた。この方がKさん。本当に助かった。ありがとうございました。道中、山の話や山小屋のはなしをしながら盛岡まであっという間だった。

天気にこそ恵まれなかったものの葛根田を遡行でき、そして東北の雄大な大自然と人の心に触れ、思い出深い川旅となった。
緑濃い南八幡平の原生林。合間に沼が見えるのも特徴的。



2014年7月21日月曜日

両神山 神流川金山沢 沢登り

2014.7.21(月)
8:15落合橋ー8:30 1220二俣 ー9:30 1400付近二俣-10:00稜線ー10:20/10:40両神山山頂ー11:30落合橋


前回に引き続き、百名山を沢登りで登頂。


朝5時に高坂で相棒と待ち合わせるが寝坊で1時間ほど遅刻。待ってる間に車中でよく寝られた。花園インターで降り、秩父方面に向かうが空はどんより。途中から雨も降ってくる。
ガスも深くなり林道入り口でいくかやめるか逡巡。車を一旦Uターンさせるも、後ろ髪が引かれ、
落合橋までとりあえずいくことに。
しかし、八丁トンネルを抜けると明るくなり、入渓点の落合橋につく頃は明るくなってきた。峠を境に反対側ではこうもちがうものか。
入渓点より落合橋を見上げる

早速沢支度をして落合橋のたもとから急な踏み跡をたどって沢床へ。
8:15、遡行開始。沢は結構荒れている。すぐになめと小滝が出てくる。快適に登ってまもなく1,220の二俣に到着。右俣の少し、ゴルジュっぽくなっているところを超えると120メートルのナメの手前の7メートルの滝がでてくる。ここは左側を突破しようととりつく。が中段までいくがここからは逆層になっている。残地ハーケンが一ヶ所ありここを手掛かりにA0で登るか、あるいはフリクションで強引にいけないこともないが、まだシーズンも序盤ということで、クライムダウン。結局右を巻く。

ナメや小滝を超えていく。

大なめの手前の5mの滝。結局右から巻く。

このあとはいよいよ大なめ。幅こそ狭いがかなりの長さであり、フリクションをきかせながら登っていく。深緑、紅葉の頃はきれいだというが今日は少し、沢が荒れていて大きな感動はなかった。
9時20分、まもなく1,400の二俣。右の方が水量が多そうだが地形図を読み、左に入る。すでに水が涸れてきたので水を汲み、急傾斜のゴーロを乗り越え、進む。この頃には日が差してきて青空ものぞいている。森の中に日が指して、所々、葉が緑に反射する様はとてもきれいだ。

大なめを快適に登っていく。少し沢は荒れていた。


1440二俣付近

森の中に陽が差してきた

まもなく正面に岩稜帯が見えてくる。1,550辺りだろうか。右に進路をとり、ルンゼを登ると稜線間近の雰囲気となる。藪をこぐこともなく、急登を突破すると大笹下の登山道へ出た。まだ10:00。2時間足らずの遡行だった。

10:20、両神山山頂。山頂は狭く、数パーティーがいられるほど。眺望はないが部分的に青空も覗いた。
 直下のベンチで休憩し、尾根から下る作業道を下り、11:30には落合橋に到着。

 天気が懸念され、出発も遅れたが下山は予定通りの時間。 短い遡行だったが百名山への
初登頂を沢登りで果たせてよかった。 

最後の二俣を右に。岩稜帯の右端を超える。

下りの作業道で。すごい根っこだった。






2014年7月12日土曜日

雲取山 青岩谷沢登り


2014.7.5(土)
片倉橋(11:00)~青岩橋入渓点(12:20)~大滝(13:30)~1130付近BP(14:30)

2014.7.6(日)
BP(7:30)~獅子岩谷出合(8:00)~1400二股(8:30)~1530付近二股(9:20)~登山道(10:30)~雲取山山頂(11:00)~三条の湯(13:00)~片倉橋(14:50)


高校の同級会で山岳カメラマンをしているY君と再会。今度いくか、ということになり彼の暖めていたプランで雲取山へ突き上げる青岩谷を遡行した。


2014年07月05日 土曜日
甲府からのY君を八王子でピックアップ。山の話や歴史の話、建物の話などしながらお祭りへ向かう。梅雨空、雨降りであるが気にせず、片倉橋から歩くこと2時間で入渓点。
このところの雨で水量は多そうだ。奥多摩らしい森の中を流れる沢という感じで小さな滝をいくつもこえる。まもなく12メートルのみごとな大滝。ここは右の急なザレバを登り、高巻く。

大滝。右のザレた急なルンゼを登る。
大滝を越え、ところどころテンバをさがしながらいく。
右から枝沢の出合う平な場所でタープをはる。タープは初体験。焚き火での炊飯だがこのところの雨で十分湿った薪はなかなか火がつかない。ビールを飲みながら根気よくやる。
タープは解放感があり、気持ちが良い。

1140付近のBP
そろそろ寒さがピークとなるころ、やっと火は着いた。苦労した甲斐あって立派な焚き火となった。火を囲んで、ウヰスキーをぐびぐびやりながら昔のことを話し、覚えていた旧制高校の寮歌や大学山岳部部歌を歌う。「松高の寮歌は春寂寥が有名だよな。」「だけど俺はやはり千山万岳・・・」等の会話も楽しい。Y君は北大山岳部OB、さすがよく歌を 知っている。
炎は雨をものともせず、赤々と燃えつづけ、延々と夜は更けていった。


 2014年07月06日 日曜日
夕べは寒さで何度か起きたが今日は短い行程なのでゆっくりと朝支度。朝食はやはり棒ラーメン。体を暖めて、いざ出発。雲取山直登を目指して、二股では沢を選びながら登る。ナメや小滝、ミニゴルジュがあらわれては越えていく。Y君のペースになんとかついていった。やがて源頭の雰囲気となり苔むした滝が美しい。森のなかに日が差し込み、水をたたえた苔がきらめく。
奥多摩らしい、森の中を流れる沢

いくつもの小滝を乗り越える


上部の連瀑帯



1550付近の二股。気持ちの良いところだ。

苔むした滝。陽を浴びて緑色にきらめく。

水はやがて涸れ、急な膝下の笹藪の斜面となった。Y君はスパイクつきの地下足袋となり、楽しげに藪をかき分けて登っていく。こちらは急登にあえぎながらもなんとかついていった。直登を志向したが、山頂直下の立派な山道に出たのでここで打ちきり、登山道をいく。

曇っていて眺望さえないが、明るく、来し方をみれば広い稜線にゆっくりと薄いガスが流れ、なんともなごむ光景だ。山頂で沢支度を解除し、さあ風呂だとばかりに水無尾根を下る。
楽しみにしていた三条の湯は2時からとのことでまだ1時間もあり、諦める。温泉にいた山ガール二人はこれから、湯にはいってから飛竜にいくのだとか。この時間から?すごい気力だ。

長い林道を歩き、14時半片倉橋の車デポ地点に到着。お決まりの、のめこい湯で汗を流して帰路に着いた。