2011年10月15日土曜日

仙ノ倉谷 西ゼン 遡行

2011.10.10 毛度沢出合 林道ーバッキ平ー西ゼン出合ー西ゼンー平標山ー元橋

もう14年前になるのか・・・・・。仙ノ倉谷 西ゼンを再び遡行した。
時を経ても、変わらない山の雰囲気、水の流れ。


静けさを打ち破る林道工事を横目に毛度沢沿いの登山道を出発する。まだ朝の6時。
出合より入渓。まだ紅葉は早いと思いきや山肌は赤、黄の彩りが鮮やかだ。
こんな感じの沢だったかなあ、と記憶をたどりつつ、秋の冷たい水に足を浸す。
遠くに西ゼンの扇状のスラブが望める。あんなところまでこれから行くのだな。

第一スラブと思っていたのはまだ序章。ナメ滝を滑らないようにフリクションを効かせる。このところ沢登は水泳登山が主体だったのでフリクション登攀の勘所が鈍っている気がする。第一スラブからロープを出す。水流の左、草付を交えながら着実に登っていく。
しばしばルートファインディングに失敗し、行き詰まりながらもなんとか第二スラブへ。腕はもう乳酸いっぱいでパンパンだ。前回よりも厳しい感じだな。


日がさしてきて逆光の沢がまぶしい。ザイルがのびる、沢が光る。


最後の滝を超えると源頭の様相。稜線へはまだ遠い。


上越独特の笹薮をかき分けかき分け進むとぽっかりと稜線に出た。笹薮の草原に風が渡る。もうやっぱり山は秋から冬に向かおうとしている感じだ。


午後4時平標山頂。すでに日は傾きかけている。
西陽にかすむ山々を向こうに望みながら快適すぎる元橋への下山道を急いだ。


紅葉の中に見える西ゼンの大スラブ

スラブを目指して遡行開始

紅葉もすっかり色づいた

色とりどりの山肌

鮮やかな色に囲まれてスラブを登る

樋状の滝 水は冷たい
ザイルがのびる 気持ちの良い天気だ

第二スラブ上部より。
ザイルを出して慎重を期し、結構時間がかかった。

上越独特の笹薮。ぽっかりと稜線に出た

すでに日も傾く。西陽にかすむ山並み
平標山のくだり道。道も整備され快適な登山道。

山はすでに晩秋の気配だ

2011年9月11日日曜日

黒部川 東沢谷遡行


8/17~20 黒四ダム~奥黒部ヒュッテ~東沢谷~東沢乗越~三俣山荘~新穂高温泉

黒部へ、上ノ廊下へ。


8/17 黒四ダム~平の渡し~奥黒部ヒュッテ

 荷物の軽量化を図り、前回の丹波川からトレーニングを重ね、いよいよ上ノ廊下へ。天気が崩れることが予想され、逡巡したが17日早朝、夏休みでにぎわう扇沢からトロリーバスに乗り込み、延々とエメラルドグリーンの黒部湖の縁を奥黒部ヒュッテへ向かう。
 平の渡しでは満々と水を湛える黒部湖を対岸へ。そしてはしごのアップダウンを繰り返すと上の廊下の入り口、奥黒部ヒュッテの広々としたテン場に到着。
 今夜はでかいイワナをさばいて刺身をつまみに乾杯だ。



黒四ダムより

平の渡し 静かな湖面を対岸へ渉る


8/18 奥黒部ヒュッテ~東沢谷
 いよいよ上の廊下へ。昨夜は一晩中雨。やはり増水しているようで最初の徒渉がきびしく、天気予報もよくない。この先が思いやられるのであっさりあきらめ、東沢へ転進した。
 こちらもかなり水量が多く河原を渡渉を繰り返し遡る。そして広河原でテントを張る。まだ時間も早く、吊竿をだす・・・・と釣れるわ釣れるわ。ふたりで合わせて合計9匹のイワナ。さっそく焚火をおこし、今日もイワナの刺身と塩焼きだ。
 焚火で暖をとりながらゆっくりと時間が流れていく。


焚火といわなでゆっくりとした時間が流れていく。



東沢乗越をめざして



東沢 源頭の様相だ
















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完ぺきなルートファインディングで東沢乗越に飛び出した

ガスの合間に黒部湖~東沢が見える



岩苔小谷 源流の様相


8/19 東沢谷(広河原てん場)~東沢乗越~水晶小屋~三俣山荘

   夕べは焚火の途中で雨が降り出し、一晩中降り続いた。雨の中を撤収、東沢乗越を目指す。そのうちに雨もやみ、ところどころ青空ものぞく天気となった。正面には水晶岳からつらなる山稜が堂々とそびえる。すでに源頭の雰囲気の中、着実に高度を稼ぐ。
   ほぼ完ぺきなルートファインディング東沢乗越へ到着。振り返ると延々と歩いてきた黒部湖から東沢が糸のようにガスの合間に小さく見える。反対側はどでかくそびえる鷲羽岳、反対側は黒部五郎岳、少し向こうには大天井。
    登山者が何人か行きかう中、沢支度を着替え、今日のテン場、三俣山荘を目指す。数年前、山スキーで来た時は白一色だったな。今日は真夏の木々に山肌は隠れ、また違った印象だ。

8/20 三俣山荘~双六小屋~鏡平~わさび平~新穂高温泉

  ガスの中、三俣山荘を出発。今日は、今回の山行の中で最も天気が悪く、視界もあまりない。今回は一度もピークを踏まなかったな、と考えながら三俣蓮華の山頂の手前を双六小屋へ巻道を行く。双六小屋は、やはり夏もいい雰囲気だな、と思いながらも雨の中を先を急ぎ鏡平へ。天気が悪くとも素晴らしいところだ。天気が良ければ池の向こうに槍がみえるのだろう。
いよいよ雨は激しくなり、歩を早める。それなのに、わさび平方面から登ってくる登山者も多い。今日はどこで泊まるのだろう。ずぶぬれになりながらやっとのことで新穂高温泉着。新穂高温泉の濃い湯に浸かり、山行の疲れをいやした。
   上の廊下は今年も行けなかった。でもイワナも釣れたし、いい夏休みの山旅だったかな。

2011年7月21日木曜日

丹波川本流 沢登り

7/18 三条新橋~丹波川本流遡行~おいらん淵

丹波川(たばがわ)。多摩川の上流。言葉もよく似ている。


黒部へ。あこがれの上ノ廊下へ。今年も丹波川へやってきた。これで3度目。一年ぶりの沢登りで徒渉訓練、泳ぎの訓練をしながら感を取り戻す。

手取り淵は苦労しながらもなんとか突破。去年は髙巻いたので得も言われぬ充実感。
銚子滝は相変わらずヌメヌメの左壁を登り、落とし口のボルトにビレイ。今回唯一の登攀を終えるとそこはおいらん淵。トンネルのようなゴルジュの向こうに明るく水しぶきが舞う。

おいらん淵の手前をよじ登り、アスファルトが焼け付く青梅街道を三条新橋へ戻った。



最初の淵、昨年より水は少な目。右岸を泳ぎながら突破

手取淵。去年は敗退し、左岸を高巻

今年はへつって突破




銚子滝

銚子滝を登るとおいらん淵。
トンネルの出口のように暗いゴルジュの向こうに明るく水しぶきが舞う。

どうどうと音を立てて流れ落ちる大迫力

2011年7月6日水曜日

火打山  -笹ヶ峰~火打山~笹倉温泉-

2010.4.305.2 笹ヶ峰~高谷池ヒュッテ~澄川~火打山~笹倉温泉

火打山。由来は火打石?となりの焼山の噴火に火をつけたということか。今回はあこがれの焼山溶岩台地を滑降し笹倉温泉を目指す。

4/30 笹ヶ峰~黒沢岳~高谷池ヒュッテ
笹ヶ峰よりのアプローチ。京大ヒュッテがなつかしい。黒沢沿いを行く。谷は次第に深くなる。しんどいのを我慢し一気に抜けると富士見平へ向かうなだらかな斜面。ここを滑るのも楽しいそうだ

富士見平で一服つき、黒沢岳へ続く稜線に上がると、久しぶりの高谷池ヒュッテの三角屋根が見えた。黒沢池は一面の雪原だ。


富士見平を過ぎ、黒沢岳の稜線を行く


黒沢池はまだ雪の中だ

黒沢岳山頂から林間を縫い、ヒュッテめがけて滑降。3回目の高谷池。夏も冬もよいところだ。次第に陽も落ちて寒くなってくる中、ビールで乾杯。火打、焼山は残照。

2泊お世話になった高谷池ヒュッテ 夏も冬も素晴らしい

火打、焼山方面残照
5/1 高谷池~雷鳥平~澄川~黒菱山~火打山~高谷池ヒュッテ
 雪が降っているとの声に朝目を覚ますが、たいしたほどではない。広大な天狗の庭は大雪原と化している。クトーが気持ちよくきき高度を稼ぐ。火打山からの滑降は最後にとっておき、雷鳥平(肩)から覗き込むとカール状の斜面が気持ちよく下まで続いている。 素晴らしい澄川源頭部の斜面にシュプールを刻む、ターンが気持ちよく決まる。あっという間に稜線は遠のいた。


天狗の庭経由で火打の肩を目指す



澄川源頭を滑降。稜線はあっという間に遠ざかる。
他には誰もいない。

 澄川の底から、黒菱山へ。黒菱の北斜面はかなり急で手強そうだ。黒菱の急斜面はトラーゲンとなりピッケル、アイゼンを駆使して登る。ピッケルもってきてよかった...。兎の鳴き声かキューキューという声が聞こえ、かわいく足跡が伸びている。


黒菱山への急登 妙高の街だろうか、かすんで見える

 黒菱山頂。結構厳しいのぼりだった。火打を見ると先ほど滑ってきたわれわれの二本のシュプールが見えて感動。振り返ると容雅山、その向こうに妙高の街。火打の北には昼闇だろうか、白い塊が見える。山頂からはなだらかな尾根を行く。この頃急に火打ちにガスがかかり、急スピードでこちらに流れてくる。すでに午後も後半、急がなければ。



黒菱山山頂より火打山 
滑降してきた澄川源頭のシュプールがはっきり見える
最後の体力を振り絞り、火打山頂。3回目の登頂だ。ガスをついて火打山頂から滑降。クラストしているが強引に行く。雷鳥平を過ぎるといつの間にか夕方のやわらかい日差しとなり、雪面はフィルムクラストとなった。自在にターンが決まり、さらさらと氷の落ちていく幻想的な滑降は思い出に残る一本。北アルプスの連たんを遠くに望み、長い一日が終わった。

火打山より。次第にガスは晴れ、フィルムクラストの素晴らしい滑降となった

5/2 高谷池ヒュッテ~火打山~影火打~焼山北面台地~アマナ平~笹倉温泉
最終日も素晴らしい天気。火打は昨日に引き続き4回目の登頂だ。山頂から見渡すとこれから行く焼山北面方面が望まれる。
長居も無用と、影火打との鞍部に向かう。いよいよ滑降。影火打の肩に滑りこむとアルペン的な素晴らしい景観が広がる。片流れの斜面を快適に滑る。稜線はどんどん遠ざかる。

焼山。影火打よりいよいよ焼山の北面、溶岩台地へ。


溶岩台地へ向けて滑りこむ。溶岩が作り出した独特な景観。

 急斜面を飛ばしあっという間に焼山溶岩台地に出る。溶岩が流れ出して作った地形に雪が積もり、今までみたことのない景色。火打はすでに遠くそして高く聳えている。賽の河原の横断はストック、ザックを下に落とし、スキーを持って沢床に降りた。

溶岩台地をのんびりと。もうすぐアマナ平。今回の山行も終盤だ。

 笹倉方面から登ってくる登山者がちらほら。今日はどこまで行くのだろう。アマナ平着。最後の一息をつき、充実した山行を振り返る。最後は林道をジグザグと下っていくとまもなく雪もなくなり滑降完了。
春の、棚田をながめながらそして畦の堰の水の音を聴きながらのんびり笹倉温泉へと下っていった。



2011年6月25日土曜日

乗鞍連峰 猫岳  山スキー

2010.1219 平湯~スカイライン~猫岳~平湯

猫岳。ねこだけと読む山はいくつもあるが、乗鞍の北に位置する今回の猫岳はどこが猫なのだろうか。

12/19
早朝、スカイラインに沿って歩き出す。車道に薄く積もる雪の道。単調だが確実に高度を稼ぐ。朝日に明らむ白山。雲海の向こうのその姿は白い島のようだ。

いくつものつづら折れを行き、やっと目標の猫岳が見えるがまだまだ遠い。強風に挫折しそうになりそうになりながらもスカイラインから離れ、やっとのことで山頂への斜面に取りつく。

山頂は天気よくも風強し。北に目をやると笠が岳から伸びる双六への尾根。そして槍穂連峰、吊尾根。その向こうにはいつもと反対側から見える常念岳。乗鞍方面からならではの北アルプスの核心部、真冬の厳かな景観だ。

しばらく景色を楽しんだ後、下りは雪のついていない北面斜面はあきらめ忠実にスカイラインを滑る。下のほうは雪が薄く、アスファルトとの間でスキーを火花を散らせながらガリガリと平湯へ下った。




雲海の向こうに見える白山は白い島のようだ

目指す猫岳はまだまだ遠い


スカイラインの向こうには四ツ岳?

山頂より谷の向こうには、笠が岳、槍ヶ岳、穂高連峰、常念岳の峰々

真冬の北アルプス核心部は誰をも寄せ付けない厳かな感じさえする

2011年6月18日土曜日

雪倉岳  ~蓮華温泉 山スキー~

2011.5.3~5.5 栂池~白馬乗鞍岳~蓮華温泉~雪倉岳~蓮華温泉~栂池

雪倉岳。そのたおやかな山容はまさに雪の倉。

5/3
栂池のゴンドラをおり天狗原へ。白馬大雪渓の雪崩が窺える。久しぶりの山行に白馬乗鞍の壁にあえぎながらも
ジグを切ってスキーで這い上がる。

仙気の湯めざして尾根を滑降。そして言うまでもなく露天風呂で安らぐ。朝日、五輪山を望むGW ならではのひととき。火照った体に風が気持ちいい。

5/4
翌日は、10年ぶりの雪倉へ。今回は瀬戸川の途渉もなく順調に高度をかせぐ。しかし最後はばてながらようやく山頂へ。風強くも白馬岳、柳又、そして旭のとんがりが見渡せる。そして滑降は快適な斜面。壮大なスケールのなかを自由に舞う、シュプールはどこまでも伸びる。いつもながらの解放感。

蓮華温泉直下の水芭蕉は今年も雪田の中に健在だった。少し花は早いかな。夕飯たべて外に出ると夕暮れの雲海の向こうに朝日、五輪山。今年もGW は山スキーにいけたなあ。

5/5
最終日、蓮華温泉の赤い屋根を後に、振子沢を登り天狗原へ。白馬乗鞍の大斜面を横目に5月の日差しのなかをのんびりと栂池に下った。





白馬大雪渓の雪崩が遠くに見える


白馬乗鞍の壁にとりつく
朝日、五輪山を望みながら蓮華温泉を目指して尾根を滑る



雪倉を目指して まだまだ遠い

素晴らしい天気 素晴らしい斜面、どこでも滑れる

シュプールがのびる

振り返ると山頂ははるか彼方

夕暮れ迫る朝日岳、五輪山。雲はそのうち雲海となった

小屋の直下の水芭蕉 まだ早いがそれでもきれいだ

気持ちの良い5月の日差しの中をのんびり栂池へ