2013年8月25日日曜日

夏の高谷池

2013.8.22~8.23 笹ヶ峰~高谷池(往復)

今年の夏は、魚野川を遡行しようかとプランを練っていたが、相棒が膝を捻挫をして回復しないのであきらめ、それでは一人で剣岳にでも行こうかと考えていたところ、妻が「山に行こうかな」と、この暑い夏に雪でも降りそうなことを言い出した。
ハードなところはダメということでそれじゃあ夏の高谷池にいって、ゆっくり湿原と星空を楽しむか、ということにした。

笹ヶ峰からゆっくりペースで歩き出す。
3年前に山スキーで来ていたが、今日は夏空の下、ブナの森の緑を楽しみながら登っていく。まもなく十二曲り。ここから富士見平までが少し急になるので何とか妻をだましだまし、登っていく。

振り返ると眼下には野尻湖。 急登を過ぎると富士見平に出た。一息ついたら高谷池ヒュッテまでの巻道を進む。火打、焼山が見えてくる。火打はまだ雪渓が一部残っている。そして高谷池ヒュッテの三角形の屋根も近づいてくる。

高谷池ヒュッテの三角の屋根が近づいてくる


ヒュッテとわがテント。素晴らしいロケーション。

午後2時半、高谷池到着。雪のある時もよいが夏も素晴らしい場所だ。
 
テン場をのぞくと1張しかなく、火打と池を望む絶好の位置にテントを張った。担ぎあげたビールをひっかけた後、天狗の庭まで散策。火打、影火打、焼山が地糖の水にその姿を映し、とてもきれいだ。
雪のある頃を思い出してみる。冬もよいが、夏は山の表情が豊かで何か違う山のようだ。 
 
 
ヒュッテ正面より。火打はまだ一部に雪渓が残っている。


春の高谷池と火打。こちらも素晴らしい。(2010年5月撮影)

 

天狗の庭より池塘に映った火打。

 

まだ雪をかぶったころの火打山。



天狗の庭のワタスゲ。


 

今宵は満月。でかい月が出た。月の光のおかげで星は少し遠慮気味だがそれでも素晴らしい夜空となった。いく筋か星が流れる。妻はいつまでも寝袋にくるまって星を見ていた。
 
翌朝は曇り。と、思いきや雷もなり始め、やがて雨が降ってきた。雨脚が強くなる中、テントを撤収。ヒュッテでひとしきり雨宿りをして雷をしのいだ後、笹ヶ峰への下山路を急いだ。
 
 
今回は癒し系の山旅。帰りは新潟の棚田に感動しながら大地の芸術祭を楽しみ、帰路についた。
 

大地の芸術祭

































 










 


















2013年8月10日土曜日

大源太川北沢 遡行

2013年8月4日(日)入渓点(6:00)~三俣(8:00)~ヤスケ尾根(12:00)~入渓点(13:30)

前日は、入渓点でテントを張る。すでに7時を回り暗くなりはじめ、よい場所がなかなか見つからず焦るが、一張りよい場所が確保できた。ささやかな焚火と焼肉、ワインでまったりとする。

翌朝、6時出発。今日は水量が多そうだ。まもなく4条の滝。
4条の滝。今日はかなり水量が多い。

思ったよりなかなかいい沢だ。いくつもの滝を越していく。ルーファイを誤ったのか途中で行き詰まり、ハーケンを打ちA0で登る場面も。
朝の沢はすがすがしい。ユリだろうかオレンジ色の花が岩間に咲いている。

朝の沢はすがすがしい。

岩間に咲く


左からすだれ状の美獏

ナメ滝は左のクラック沿いを登る
まもなく、三俣。右からすだれ状に七つ小屋沢の大滝が出合う。見上げるとはるか上から降りそそいでいる。われわれのルートは左側。直登出来そうな気もしたがガイドにしたがって、右のリッジを登るが結構厳しくスリングをハーケンにタイオフしたりしながら登り、灌木帯に入りビレイする。その後も藪をトラバースし、結構な大高巻きとなってしまった。
その後に表れたチムニー状は水量が多く突っ張りで下段を登るがすでにずぶ濡れ。上段は被っていて厳しかったが大量のシャワーを浴びてほとんど窒息寸前というくらいの中を微妙なバランスで登る。

三俣。右から七つ小屋沢の大滝。

上空より降り注ぐ。

北沢の大滝。右のリッジを登り高巻いた。

チムニー状の滝。最上段が厳しい。大水量を浴びる。

まもなく源頭の様相。スラブ帯に入る。いくつか小さいながらも辛口の滝を超えていく。
ふりかえるとガスが急に沸いてきた。横はちょっとしたお花畑でなごむ。稜線まではあと少しだ。
最後はスラブと草つきが混じった斜面をヤスケ尾根側にとり詰めると登山道に出た。

花の彩りになごむ。

雨も降ってきたので山頂はパス。遥か下方に上ってきた北沢が見える。七つ小屋沢の滝も。
くだりはきつく、相棒は捻挫したようだ。日帰りであったがいろいろな要素があり、充実した山行だった。



2013年7月7日日曜日

丹沢 水無川本谷 遡行

2013年7月6日(土) 
戸沢(9:10)~入渓地点(9:30)~F5(10:40)~塔ノ岳(13:30)~花立山荘(14:10/14:40)~戸沢(15:30)

水無川本谷はもう20年も前、1992年(H4)に初めて遡行した沢だ。数えてみるとあれから40本以上の沢を登っていた。そんな感慨を覚えながら入渓地点に立つ。天気予報に反して丹沢山中はどんよりとした曇空。
まもなくF1.左をフリーで登る。一年ぶりの沢登り、最初はいつも緊張する。続いてF2は左から。

今日はものすごい湿気で、沢の中もかすんでいる。



F2 鎖もついているがザイルで確保



F3は右のバンド状のところをへつるが岩がかぶっていて少々難しい。ここはロープで確実に確保する。
こんな感じの沢だったかなと記憶をたどりながらどんどん登る。20年前遡行した時は、装備も貧弱でロープも持たず、フェルトタビもなかったので地下足袋にわらじの伝統的なスタイル。体力にモノを言わせてぐいぐいと登ったんだな、きっと。

 
F3 右から。右上の岩がかぶっていていやらしいトラバース。
 
今日は天気も良くなかったせいか、滝は待ち時間ができるかと思ったが他に遡行者は誰もおらず意外にも静かな沢登りとなった。
F5を右の鎖を頼りに登ると、書策新道が横切る。もう廃道になっているそうだ。ここを過ぎるとそろそろ水量も少なくなる。チョックストーンのF6は腕力勝負。F8は到底のぼらず右から高巻く。かなりの大高巻であった。



沢中も湿気が多く、幽玄の世界だ。
 
F8.十分な高度感。右から高巻く。
最後のF9を巻くと、まもなく源頭の様相。ガレ場を喘ぎ登り、左の踏み跡へ逃げると間もなく稜線。そしてガスの中の塔ノ岳に到着だ。視界はなく風も強いのでそそくさと花立方面に下る。
花立山荘でランチタイムをしてあとは一気呵成に戸沢へと下った。終止晴れ間も見えない丹沢の一日だったが関東は今日、早々と梅雨が明けたらしい。

翌朝は晴れあがり、家の窓からは梅雨明けの丹沢方面がばっちり望め、昨日の余韻に浸った。

翌朝晴れ渡った丹沢山系。右から蛭が岳、丹沢山。奥に塔ノ岳。少し離れて大山。

 







2013年5月28日火曜日

針ノ木岳 山スキー

5/25 扇沢(5:30)~針ノ木雪渓~マヤクボ沢出合(8:00)~マヤクボコル(10:00)~針ノ木岳(10:30)~扇沢(12:45)


針ノ木岳。周辺に生えるハンノキが転訛したことからついた名前らしい。


朝、4時半起床。曇りかと思いきや意外と青空が広がる。期待できそうだ。滑りおさめの山スキーは針ノ木雪渓。

5時半、もうおなじみとなった百瀬慎太郎の「山を想えば人恋し・・・」の歌碑に見送られ扇沢を出発。そういえば来週は針ノ木岳の開山祭が予定されているらしい。
百瀬慎太郎の歌碑
 
 
堰堤をいくつか越えると雪がつながりシール登行に切り替える。雪渓とコントラストをなす見事な青空、期待も高まる。
確実に高度を稼ぎ、やがてマヤクボ沢の出会いに到着、一息入れる。ここからが正念場。傾斜が一気にきつくなりジグザグを切って登る。つぼ足の登山者1名と、山スキー2人組が斜面にとりついている。
もうすぐシール登行の限界くらいの斜面をあえぎながらクリア。カールの末端、モレーンの台地に出た。山スキーの二人組はシートラーゲン、結構きつそうだ。
 

針ノ木雪渓へ。
 
振り返ると爺が岳。続々と登ってくる。

一息入れながら相方と相談、直登は大変そうなのでマヤクボのコルを目指す。ここは難なく突破し、稜線に出ると眼下には黒部湖が見え、「ロッジくろよん」の青い屋根がかわいらしい。
コルから山頂までは雄大な剣、立山を横目に稜線歩きで30分で針ノ木岳のピークに到着。

 
モレーン台地より。針ノ木山頂が間近だ。

マヤクボのコルより。眼下には緑の黒部湖。背後には剣、立山の雄大な姿が見える。

青い屋根のロッジくろよん。

北アルプスの中央部に位置しているだけあり、見事なパノラマが展開される。剣、立山、五色が原はまだ雪の中だ。上ノ廊下を挟んだあのあたりが薬師岳だろう。蓮華は眼前に大きくそびえる。

 
山頂より。五色が原もまだ雪の中だ

眼前には蓮華。どっかりと鎮座する。

針ノ木峠方面に少しくだり、いよいよマヤクボカールを滑降。傾斜はきつく、雪も重めだが、気持ちよく滑っていくとまもなくモレーンの台地。振り返ると山頂にはガスがかかり始めている。
爺が岳を眼前にみながら針ノ木雪渓を飛ばす。

針ノ木雪渓を快調に飛ばす。

一気に滑る。

まもなく傾斜は弱まり、雪渓の下部へ。落石をよけながらのスキーとなる。
名残を惜しみながら山頂を振り返りつつ雪渓の末端で一服。デポしたスニーカーに履き替え、初夏の登山道を扇沢へと下る。道脇にはニリンソウが咲きはじめ、山はもうすぐ花の季節だということを知る。

今年の山スキーシーズン最後、天気に恵まれて素晴らしい滑りおさめが出来、余韻を味わいながら帰路についた。

見上げれば青い空。マヤクボカールと針ノ木岳。





2013年5月6日月曜日

月山 山スキー

5/4 姥沢~月山スキー場~姥ケ岳~姥沢


今年のGWは月山、鳥海山を滑ろうと東北まで遠征。
5/3(金)
天気は曇り。青空も覗いて期待もあり、月山ス キー場に向かう。しかし途中から雪が舞い、風 も強くなってきた。スキー場につくと、強風の ためリフトはしばらく運転見合わせだという。 しばらく待機するも天候回復せず。あきらめて 下る。
5/4(土)
青空がちらちらのぞく。天気予報は曇りのち晴れ。早速 月山スキー場に再び向かう。しかし、スキー場に着くと昨日より はましだが強風&ガス。しばらく待機の後、思い きって出動。

時に青空ものぞいたりするので期待もある。しかしリフト をおりると、ガス、そして風も強い。気を取り 直してスキーアイゼンをつけて登り出す。

ほど なく姥ヶ岳山頂。しかしほとんどホワイトアウ トの状態。1時間ほど待つが回復せず。姥ヶ岳か ら降りることとする。滑り出しはホワイトアウ トで、滑ってるのだか止まっているのかよくわからない状態。途中から視界もよくなり大斜面を飛ばす。ちょっとしたコルでランチ。振り返ると月山山頂方面は相変わら ずガスの中。

あきらめて、明日の鳥海山にかけるべく湯の台に向かっ た。 滝ノ小屋までの道も雪が少なく進むが途中で行 き止まり。先行者が何台かとまっている。しか し、またガス。明日もダメかなと思うが、一縷 の望みをたくしてシュラフに潜り込む。

5/5(日)
結局、朝からガス。登ってもしょうがないとさっさとあきらめ帰路につく。途中、麓から湯殿山、月山がちらりと望まれる。今年のGWはここら辺だけ天気悪し。せめて渋滞に巻き込まれないよう残念無念の帰路を東京へと急いだ。



姥が岳へ、この天気でも続々と登ってくる。




姥が岳西面の大斜面を滑る




月山がやっと見えた。

2013年4月19日金曜日

柄沢山 山スキー

2013.4.13(土) 
清水(7:30)~柄沢川~柄沢山鞍部1840(11:45)~柄沢川~清水(13:45)


春の日差しの中、高速を飛ばして清水へ。まだこの辺は田んぼにも雪が残ってる。昨日も降ったらしい。

林道終点に車を止め、出発は7時半。柄沢川右岸沿いを行く。遠くに白く稜線がかがやく。
あの辺りが柄沢山だろうか。先行者のトレースに沿ってしばらく行くが、沢が分かれるところからトレースは直接柄沢山へ突き上げる尾根に向かっていた。
我々は真ん中の尾根を登ることにした

我々は真ん中の尾根にとりつく。最初こそゆるやかだったが1300付近から間もなく傾斜もきつくなりキックターンを繰り返す。
トップで登ると、昨日降った新雪がスラブの上に積もり、シールが効かず、荷重をかけると雪が崩れてスリップしてしまう。トントンと踏み出した片足に少し荷重をかけ、足場が出来たところで思い切って体重を乗せて進むが、かなりの急傾斜で時間がかかる。相方はスキーを担いで、シートラーゲン。しかし、これもきつそうだ。

稜線には11時45分着。相方を待ちながら、風をよけて休む。北は巻機、その向こうに大きくそびえるのは越後駒。東に目をやると尾瀬の山々、平が岳、燧、至仏。柄沢山越しに見えるのは谷川連峰。

稜線。隣の尾根を登ってきた二人組。その向こうに巻機山。




東側、尾瀬の山並み

柄沢山。ピークはパスしてこのあたりから滑降。


昼食をとり、すこし柄沢山の方面に進む。柄沢山のピークはカットして、ブッシュの斜面にはいる。
13:00。ブッシュをまもなく抜け、大斜面に突入。昨日降ったらしい雪はパウダーとなり、シュプールを刻む。結構傾斜があり、スピードが出る。傾斜が落ちるところまで進み、ホット一息。
あとはやわらかな日差しを浴びつつ、清水へと下った。

大斜面を飛ばす。見た目よりスピードが出る。
下部。やわらかな日差しの中、清水へ。

2013年3月16日土曜日

三田原山~池ノ峰 山スキー

3/9  妙高杉ノ原スキー場ゴンドラトップ(8:30)~外輪山2300地点(11:50)~池ノ峰北~スキー場(13:30)

朝、3時半起き。高坂で相方と待ち合わせ、一路、妙高ICへむかう。

8時半、妙高杉ノ原スキー場からゴンドラトップへ。途中、ガスっていて心配になるが、ゴンドラを降りると、下は雲海、天気よし。第三リフトが風のため動いてないので、予定外の標高差300mのアルバイト。外輪山の2300地点を目指す。


沢を渡り広い尾根をハイクアップ

スキー場を離れ、途中からトラバースし、沢を1650付近で渡る。あとはひたすらブナの粗林の広い尾根を進む。標高が上がるにつれ、風が強くなる。

振り返ると、眼下には黒姫。高妻、乙妻はまだ真っ白だ。強風の向こうに霞むのは北アルプス。風は強いが天気はよい。


強風の中最後の登り



黒姫、高妻、向こうは北アルプス

12時、外輪山2300地点に到着。登るときには全く見えなかった妙高がデカイ。


外輪山から。妙高が大きい
さて滑降。池ノ峰を目指し快適なバーンは雪も柔らかくターンも自在だ。まもなく樹林帯。木々の間を塗って滑る。下の方はそろそろ雪が重たくなってきた。このまま一気に滑り降りるのももったいないので気持ちのよいブナの木の下でランチ。木々の様子や日差しはもう春山の気配だ。


黒姫に向かって滑降


ブナの疎林を滑る


一気に滑るのももったいないのでランチタイム。春山の様相だ。


一息ついて、最後の滑降。池ノ峰を巻くように左へルートをとると見事な落葉松の林にでた。真っ直ぐ延びる幹の黒い影と白い雪面が織りなすコントラストがまぶしい。


見事なカラマツ林


スキー場に向けてスキーを走らせると、いま滑ってきた三田原山が、すでに遠く大きい。


滑ってきた稜線はすでに遥か遠い

ゲレンデを滑り、ふと見ると朝は動いていなかった第三リフトが動いている!どおりで山頂付近で大勢の人が突然あらわれたわけだ。

最後は今一度リフトに乗りスキー場を滑る。あっという間の4時間だった。