2016年5月7日土曜日

奥穂高岳 涸沢カール 山スキー

5/2(晴れ) 横尾~涸沢~白出のコル~カール滑降~涸沢~横尾

GWは横尾にベースキャンプで
*奥穂高岳~小豆沢滑降、
*横尾本谷~南岳南面カール滑降
を予定していたが、予想外に天気が悪く、また横尾本谷は沢も割れていて、奥穂に絞った。

4/30 沢渡~上高地~横尾
 今日は移動日。途中晴れていたが、横尾に着き夕方から雨。一晩中雨は降り続いた。涸沢はもしかしたら雪か。
横尾のキャンプ場も広々としていて落ち着く。ふと前を飛ぶ鳥をみたら青くきれいな鳥。ルリビタキだった。
梓川沿いの道を横尾へ
横尾のテンバ

ルリビタキをはじめてみた!
5/1 横尾~涸沢往復 
雨は昼前まで降り続き、午前中は沈殿。11:00頃に上がったので涸沢までとりあえず行ってみる。本谷橋から夏道を辿るがやっと雪が出てきた。予定した横尾本谷はとてもじゃないが沢の徒渉が難しそうだ。
涸沢へ続く登山者への列。しかしその上はガス。

涸沢より。やはりガス。

 涸沢から見る稜線はほとんどガスの中。今日は天気予報は晴れのはずだったが。一瞬ヒュッテに泊まろうかと逡巡するが、思いとどまり、スキーをデポして横尾に戻る(16:30着)。ビールとシチューで明日に備える。


5/2 横尾~涸沢~白出のコル(穂高岳山荘)~涸沢~横尾
 昨夜は星も出ていた。朝のうちは曇っていたが今日は天気は良いだろう。
やっと晴れた。北穂の岩肌、迫力あり
行く計画だった横尾本谷右俣。沢が割れており渡渉が困難でとても今回は無理

 早々に出発。スキーがないので楽だ。屏風岩、北穂、そして涸沢カール、と青空のもとに展開する景色を眺めながら2時間半ほどで涸沢に到着。テラスでは、すでにまったりとしている人も多い。ザイテングラードを登る人の列が出来ているのが見える。
風は弱そうだが稜線のあたりはどうだろうか、クラストしているのだろうか、色々なことが頭をよぎる。ヘリコプターが飛んでいた。事故があったらしい。

昨日とは打って変わった涸沢からの風景
涸沢小屋と雪の北穂。まるでヨーロッパアルプスのようだ
白出のコルに向かって登る登山者の列

 アイゼンをつけ、スキーを担いで歩きはじめる。まもなく急登となる。気温が高く、風も少ないようで雪はザクザクしている。テント村はあっという間に小さくなっていく。そして前穂につながるのこぎり状の稜線が迫力を増していく。
小豆沢下部をザイテングラードへ
山スキーヤー憧れの奥穂直登ルンゼ
前穂から連なる岩稜が登るにつれ迫力を増す

2750あたりで間があいた相棒を待つ。が、どうも調子が悪く途中であきらめたらしい。
ここからは結構急で、息も切れるし足に来る。30歩数えては休み、そしてまた登る。滑る予定の小豆沢は思ったほど急ではない。山スキーの人が少なく、登山者から声をかけられながら稜線を辿り、12:40コルに到着。
白出のコル。ピークに向かう人たちと見守る岐阜県警の警備隊
涸沢岳
白出のコルより、滑降する予定だった小豆沢。

 奥穂山頂へは急な岩場で何人も取りついているが、今回は滑降が目的であるので行かず。上部の雪壁は確実なステップが必要な急な斜面のようだ。ザックにつけたスキー板を見て岐阜県警の山岳警備隊の方が、上部では昨日は降雪があり弱層テストの結果、小豆沢はコンディションがよくないので滑降はやめたほうがよい、とのアドバイスを受ける。色々な状況から判断し、残念ながら小豆沢は断念した。
 少しかっこ悪いが稜線をスキーを担いでくだり、雪面の状況を確認し、涸沢岳側のカールを2860あたりからエントリーすることにしてスキーを履いた。
小豆沢源頭部
2850から滑降。シュプールを描く
3000m峰をバックにカールを滑降
涸沢に向かって飛ばす

 雪は少々重い新雪だが、涸沢槍を背にカールを飛ばす。なるべくまっすぐにラインどりをした(つもり。実際はかなりジグザグ)
2600あたりで相棒と合流。もう、涸沢に下っていたと思っていたが2時間近く待っていてくれた。カールを涸沢テント村に向けて滑る。振り返ると我々のシュプールが陽に光っている。 30分足らずで涸沢ヒュッテに到着。小豆沢は滑れなかったがカールに描いたシュプールを振り返り、充実感を味わう。
シュプールを振り返る(ザイテングラードの右)
満足のひと時
横尾へ向かって最後のひとすべり。涸沢を後にする

 奮発してヒュッテ売店の生ビールで乾杯!1時間ほど、まったりとしたあと、カールを後にし横尾へと向けて下って行った。

5/3 横尾~上高地~沢渡
 スキー板に兼用靴をつけ、さらにそれをザックにくくりつけ、延々と10kmの道のりを上高地へ。ニリンソウが咲き始め、白いつぼみは緑の葉とのコントラストが美しい。
 雑踏の河童橋で岳沢から釣り尾根につづく、これぞ上高地!という景色を振り返りながら余韻に浸る。また来る日まで。
 
ニリンソウも咲き始めた
にぎやかな河童橋近辺


大正池付近より